劇評企画 募集に当たって


いわゆる「劇評誌」や「劇評サイト」の衰退は止まず、有力紙だけではなく、最近は有志で継続してきた劇評文化も無くなりつつある。……もはや、観客は劇評を求めていないのだろうか。いや、言ってしまえば演劇なぞそもそも必要とされていないのではないか、と惨憺たる気持ちですらある。時に「演劇は時代に逆行しているかもしれないが、根源的になくなることのない芸術だ」と反動的なことを言う人を見て、そんなものなら無くなってしまえば良いのにと思う。


しかしそうではない。現場にいてこそ、現場にいるからこそ劇評は必要だし、現実を生きるからこそ、現実を生き抜くためにこそ演劇が必要だと思う自分がいる。少なくとも、自分にとって先輩の「演劇人」はそのような生き方を呈示してくれたし、そういう人達を見て、自分は一人ではないと思えるようになった。


この演劇祭を企画し始めてからずっと、劇評企画を続けたいと思った。それは、たとえ上演が社会や政治的な諸力から影響を受けても、劇評は”正しく”あり続けられると思うからだ。つまり、知性は演劇を裏切らないと私は信じている。


今年度も一昨年、昨年と変わらず、先駆性のある劇評を求めている。文章が稚拙であっても、発想が幼稚であっても、中に何か光るものがあれば良いと思う。是非、劇評を書きなれない人たちにこそ、劇評企画に参加していただきたいと思います。


横田宇雄


■募集

「板橋ビューネ2015」の演目について劇評を執筆してくださる方。


■公募A

ご自身のブログや観劇専門インターネットサイトなどへの劇評の執筆。


個人のサイト、専門サイト問わず、インターネットサイト上に「板橋ビューネ2015」の演目に対する劇評を執筆いただける方を募集します。

執筆いただいた劇評は、「板橋ビューネ2015 劇評企画」の公式文章として扱わせていただきます。「板橋ビューネ」サイトに告知とURLのリンクを貼らせていただきます。


※掲載に当たって、編集部より校正があります。


■公募B

「板橋ビューネ2015」およびサブテレニアン発行の「別冊サブテレニアン」への劇評の執筆。


「板橋ビューネ2015」の公式サイト及び、サブテレニアンが発行するフリーペーパー「別冊サブテレニアン」へ、「板橋ビューネ2015」の演目に対する劇評を執筆いただける方を募集します。

※掲載に当たって、編集部より校正があります。


■条件

東京公演[10/8-13]ないし札幌公演[10/17-18]のいずれかのプログラムの全ての演目を観劇いただける方(※10/6-7の「U-25企画」除く。必ずしも全ての演目について評論いただく必要はありません)。

謝礼:なし。但し、無料で観劇いただけます。


■文章

2,000字から12,000字程度


■応募締め切り

2015年10月5日まで


■原稿締切

2015年10月31日まで


■担当連絡先

横田宇雄

nudo.engeki[at]gmail.com


(参考)

「板橋ビューネ2013」劇評企画

「板橋ビューネ2014」劇評企画