板橋ビューネは、あなたの劇評=抵抗を求めています。


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板ビ・劇評・募集要項
板橋ビューネ2014の劇評企画の募集要項です。.docファイル。
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板ビ・劇評・募集要項
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 板橋ビューネ2014では、当演劇祭(10月7日-19日開催)の上演に関わる劇評、評論を執筆していただける方を募集いたします。


【募集にあたって】

 2013年から引き続き、私、横田が編集担当となって「板橋ビューネ劇評企画」を開催致します。幸いにも今年度も継続することが出来ることになりましたので、皆様からの熱いご応募をお待ちしております。


 今、一体何のための劇評か。また誰のための劇評か。その問いかけに答えようとすると絶望的かつ悲観的な回答しか残されていないような気もします。劇評や評論はどれほどの力を持っているのでしょうか。かつて劇評が少なからず影響力を持っていた(作品に対しても、観客に対しても)時代というのは、社会的・政治的な言論の力が強かった時代でもあります。従って、劇評や評論の力が弱まったというのは、社会状況が変化したということの証左でもありましょう。こうした傾向は日本だけではなく、多くの先進諸国も似たような状況であると聞いたりも致します。


 だから私は「今なぜ劇評か?」という問いに対しては、研究と抵抗のためと答えたいと思います。研究、つまり精緻な観察と分析の土台を作ること。もちろん、学術領域に限った話ではなく、現代演劇を見る力を養うための分析のための劇評。抵抗、言論が封鎖され、娯楽足るべきスペクタクルが自己規制の網の目に捕らえられて、良質な作品を生み出すことが難しくなってきてしまった状況を打破するための劇評。


 もし仮に想像力が演劇に必要なのだとすれば、それは創作者の想像力だけではなく見る側の想像力も必ず含まれます。「自由な」想像力というものがあり得ないとしても、同時代の言論に縛られないように発言する自由を確保することが、劇評の役割なのではないかと思います。つまり、表現の自由は前提にされるものではなく、劇評があってこそ始めて現実的に実効可能になるということです。

 そこで私が現実的・実践的に想定していることは、自己規制ないし自己検閲から言論の自由を守ることです。経済活動を中心にして、自ら(市民の)手で、自らを対象として、私たちの想像力はおびやかされています。お互いがお互いの逸脱を公的機関へ通報し、政治家がそれを騒ぎ立て、役人が介入する。それはまるでオーウェルの『1984』のような世界です。


 これら自己規制・自己検閲から言論を守るためには、孤独な抵抗が必要なのだろうと私は思います。従って、私が求めているのは当然ながら上演の宣伝のための劇評ではありませんし、感想のための劇評ではありません。当然のことを書くようですが、知的手続きとしての抵抗の手段としての評論を求めています。

 そのために私は、必ずしも劇評を書いたことがない人であっても良いと思っています。はたまた劇評の形を成していなくても良いのではないかとすら思っています。むしろ、未来の演劇を要求するような、そんな熱い・展望のある皆様の劇評を求めています。


 こうした活動がいつまで続けられるか私には定かではありませんが(つまり今このタイミングで「抵抗」という言葉を使うことが果たして本当に可能かということですが)、幸いにして今年度も続けることが出来ましたので、皆さまからの熱いメッセージをお待ちしております。

横田宇雄


【募集要項・条件】

・「板橋ビューネ2014」に出展する上演作品に関する劇評。

・執筆いただいた劇評は編集作業を通じた上で、「別冊・サブテレニアン」に印刷し、また「板橋ビューネ2014」公式サイトへ掲載いたします。

・ただし、編集サイドで掲載が認められないと判断された場合は劇評の掲載を拒否する場合がございます(「評価」を参考)。

・募集締め切り:10月27日まで

・応募先:itabashi.buhne[at]gmail.com (件名を「劇評企画」としてください)

・応募いただいた劇評の著作権は2015年9月まで「板橋ビューネ」に帰属します。また、投稿料はありません。

・観劇はご自身で行ってください。また取材が必要な場合は演劇祭を通じて各劇団へコンタクトするか、劇評企画の旨を伝えて個人で直接連絡をお取りください。


【評価】

・現代社会ないし現代演劇に対して独自の問題意識・問題設定を持っているか。

・上演内容の描写だけでなく、上演によって喚起された思考に関する記述があるか。

・上演を見ていない読者に対しても劇評内容を理解させるだけの説明がなされているか。


【コンタクト】

・itabashi.buhne[at]gmail.com

・担当:横田宇雄


【投稿規約】

・2,000字以上10,000字以内(注釈含む)。

・文献やパンフレットなどテキストからの引用がある場合には出典を明らかにすること。

・上演の台詞を引用する場合には「筆者メモ」の旨を明記すること。上演台本から引用している場合には、その旨を記載すること。

・観劇した作品の日時を明記すること。

・劇評の執筆については、基本的にMicrosoft Office WordかOpenOfficeWriterで行い、それ以外の場合には左記ソフトで閲覧が可能な状態で提出すること(手書き不可)。

・「別冊サブテレニアン」への公開については紙面の都合上、全文が掲載されるわけではありません。


【作業工程】

・応募者の締め切り(10月27日)。

・執筆締め切り(12月末日)。

・編集作業(2015年1月)。

・印刷およびウェブサイトへ公開。


2013年度の水牛健太郎さんと横田宇雄さんの劇評が公式サイトからご覧いただけるようになっています。

公式サイト:http://itabashi-buhne.jimdo.com/