緊急開催!! -2015.JAN.23-25.

安部公房特集:演劇と文学の交差点 --身体とイメージを操る--

身体、空間、イメージに特化した、現代演劇のためのワークショップです。

安部公房の演劇と、身体訓練に精通する方々を講師に迎えました。若手・熟練は問いません。俳優としての経験がなくても、演劇に興味がある、現代演劇に触れてみたいと考えるアマチュアの方もご参加いただけます。


今日、言葉に頼らない舞台表現が盛んになり、必ずしも台詞の言い方や役作りだけが俳優の技能ではなくなっています。現代の俳優にはこうした技能に加えて、「たたずまい」や「存在感」、「演じていない(ように見える)身体性」が求められます。ただし、こうした俳優の存在について明確な指針を持っている演出家や稽古場は少ないかもしれません。「とにかく、何か面白いことをしてみて」とか「なんでもいいから動いてみて」など言われることもあるでしょう。もし、俳優の「存在」の仕方に方法があるとしたら、一体どのようなものでしょうか。


安部公房は新劇とアングラの間にあって、現代演劇の俳優教育の必要性を唱えました。この考えは2000年以降の演劇を巡る状況を考えると、よりいっそう切実であるように思われます。いわゆる「アートマネジメント」が大学やシンクタンクなどの学術的な機関で育っていったのに対して、日本では現代演劇の俳優教育の分野はいまだに土台となる理論的な基盤すらも育っていません。


「新劇からアングラへ」という日本演劇史にとっての異端である安部公房スタジオの活動。WSという実践的な側面・そして安部公房研究者である木村陽子さんと安部公房スタジオ創設メンバーの大西加代子さんを呼んでの対談という学術的側面。様々な側面から、改めて日本演劇史を捉えなおす場を設けました。

 

参加表明いただいた講師の皆さんの熱意が皆さんにも伝わればと思っています。


現代演劇について考え、実践する濃密な三日間!

板橋ビューネ2015実行委員会


【概要・日程】

期間:2015年1月23日(金)~25日(日)


【タイムスケジュール】

A…横田宇雄

B…清末浩平

AB…横田宇雄・清末浩平

C…智春

D…古賀彰吾

E…木村陽子・大西加代子


※「智春」クラス(23日、25日)は連続受講することが望ましいです。

※Eプログラムは座学です。(諸般の事情によりDVDの上映は中止になりました)


【受講料】1,600円/回

 

※25日トーク(木村陽子)は1,000円 (WS受講者は無料です) 

その他:基本的には動きやすい格好でご参加ください(上下ジャージ、着替え、靴など)。

定員:各回15名まで。定員に達した時点で締め切らせていただきます。

 

【予約方法】下記アドレスまでメールに「お名前」「電話番号」「受けたいWSの日程と時間」をご連絡ください。返信が到着し次第予約完了となります。


itabashi.buhne [at] gmail.com

【会場】

サブテレニアン


東武東上線大山駅北口から徒歩7分。(大山駅は池袋駅より3つ目です。)
都営三田線板橋区役所前駅から徒歩3分。


住所・詳細

173-0013東京都板橋区氷川町46-4 B1F

http://subterranean.jp/access.html


【講座内容と講師プロフィール】

<Aプログラム>

横田宇雄(23日、24日、25日担当)

 

<テーマ>

オブジェと空間

-空間の捉え方とアプローチの仕方―

 

<内容>

安部公房の演劇観である「文学」(空間芸術)と「音楽」(時間芸術)の中間の領域について考察します。

詳細は「オブジェと空間」サイトより。

 

<プロフィール>

自然主義演劇とコンタクト・インプロビゼーションを取り入れた創作活動を行う。これまでに創作した作品は10作品を超える。パリ第十大学演劇学科にて修士号。日本劇作家協会会員。板橋ビューネ実行委員。



<Bプログラム>

清末浩平(23日、24日、25日担当)

 

<テーマ>

安部システムを試してみましょう

 

<プロフィール>

1980年生まれ。東京大学文学部(日本語日本文学)卒。同大学院修士課程(日本文化研究)修了。専門は日本近代文学、研究対象は安部公房。在学中より演劇活動を行い、脚本・演出・出演などで多くの公演にたずさわる。2011年に劇団ピーチャム・カンパニーを退団した後は、独自の文学研究を行っている。


<Cプログラム>

智春(ちぃきぃ、23日、25日担当)

 

<テーマ(23日)>

肉体の言葉をみつけよう

<内容>

言語では表せないより深い感動を肉体で探求していくためには、様々な状況に応じた肉体の意識を持つことが重要です。姿勢、重心の位置、歩き方、呼吸の仕方、筋肉の緊張と弛緩、重力、スピーディ又スローな動き、空間に於ける意識など。状況に応じて身体の各部分を有効に動かして、人の心を引き付けるリアルな肉体表現を目指してみませんか?

 

<テーマ(25日)>

安部公房の作品をフィジカルシアターにしてみよう

<内容>

独特な作品性を持つ安部公房。彼の不思議な作品性と独特な空気感をフィジカルシアターという形で解体、より立体的に再構築してみます。


<プロフィール>

チィキィ*パークゥ主宰。肉体演劇作家・演出・振付・妄想家。マイム・クラウン・アクロバットを軸としたサーカス芸をべースに幅広い表現方法を学び、自身もフィジカルパフォーマー、クラウンとして精力的に活動。若手演出家コンクールでの最優秀賞、観客賞をはじめ国内外のフェスティバルに多数招聘され主演女優賞など数々の賞を受賞。シルクドゥソレイユ登録アーティスト。


<Dプログラム>

古賀彰吾(25日担当)

 

<テーマ>

最低な演出家と最高の作品を作るための俳優ワークショップ

 

<プロフィール>

1986年東京生まれ。早稲田大学卒。在学中、大学内演劇サークル劇団木霊に所属し、卒業後劇場創造アカデミー演出家コースに入学。その後修了生にて結成した劇団ドクトペッパズにて演出、俳優を担当。「過去から学ぶ」をコンセプトに、主に古典戯曲や既成の小説、物語などを元にした演劇創作の集団として活動している。また、大道芸(スティルト)パフォーマー‘せせらぎ’としても活動している。


<Eプログラム>


①木村陽子(講義)

②対談:木村陽子+大西加代子

 

 

73年の安部公房スタジオの設立から76年まで参加した、俳優・大西加代子さんと安部公房研究者の木村陽子さんとの対談の豪華二本立てです。

安部公房の演劇について知る貴重な催しです。新劇とアングラの演劇史の異端児・安部公房スタジオから、改めて演劇史を読み解きなおす機会となるでしょう。是非、それぞれの新たな演劇史を紡ぐために、イベントに足をお運びいただければと思います。

木村陽子(25日担当)

 

<テーマ>

安部公房がめざしたもの ―ポスト・演出家時代の方法論―

 

<プロフィール>

目白大学専任講師。1972年東京都出身。早稲田大学文学研究科博士課程修了。博士(文学)。早稲田大学演劇博物館GCOE研究生、東京学芸大学非常勤講師、埼玉東萌短期大学非常勤講師、同済大学(中国)特任准教授を経て現職。著書には『安部公房とはだれか』(2013、笠間書院)、『日本近現代文学史』(2013、華東理工大学出版社)など。


大西加代子(25日担当)

<プロフィール>

アニマ・エージェンシー所属

桐朋学園大学短期大学部 演劇専攻科第二期生。劇団俳優座を経て、1973年‾7

7年「安部公房スタジオ」に創立メンバーとして参加する。

俳優座公演 安部公房作「未必の故意」でデビュー。安部スタジオ旗揚げ公演「愛の

眼鏡は色ガラス」から「友達」「緑色のストッキング」「鞄」「ウエ―」「幽霊はここにいる」「棒になった男」「案内人」等に出演。映画・テレビ・ラジオ・CМでも活躍する。

俳優は見られる以上に、見る仕事。役作りのプロセスが大好きです。



<お問い合わせ>

itabashi.buhne [at] gmail.com

080-4205-1050(赤井)


主催:サブテレニアン

板橋ビューネ2015関連プログラム